まめージェント

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「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則」まとめ(前半)

そもそも

もうずいぶん前(3, 4年前?)に読んだ「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則」を再度読んでみたので、そのまとめ。

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・いろんなところで「マーケティングが・・・」とか言うけど、「そもそもマーケティングって何?4P?製品を広告すること?売ること?営業と何が違うんだっけ?」に答えられない
・「ビジネスモデルキャンバスでチャネルっていうけど、そこって”流通 / ユーザに価値を届けるもの”くらいの認識でしかないけど、理解足りなくね?」と思った。
・(あとは内容を大分忘れてしまった / 何となく時間が空いたので・・・)

というモチベーションで再度読んでみました。
この本多少古いとはいえ、マーケティングの普遍的なところも体系的にまとめられているので、今でも十分読む価値はあるかと。

分量がめちゃ多いので、全後半の2回に分けようと思います。今回は、その前半。10章あるうちの5章までをまとめてあります。また、僕の琴線にふれた部分もピックアップしているので、この本の純粋なまとめとは少しズレてるかもです。

この記事は前半(1〜5章)をまとめたもので、後半はこちらにまとめています。mame0112.hatenablog.com

第1章: マーケティング3.0へようこそ

・顧客は、製品に性能だけでなく、精神の充足をも求めるようになってきているので、マーケティング3.0が必要となる。

・この章の要約
 ーマーケティング3.0は、マーケティングのやり方が消費者の行動変化によって大きく帰られる段階。消費者がより恊働的、文化的、精神的なマーケティング手法を求める。

・マーケティングの比較
 ーマーケティング1.0: 製品中心のマーケティング。製品を販売することを目的とする。
 ーマーケティング2.0: 消費者志向のマーケティング。消費者を満足させ、つなぎとめることを目的とする。
 ーマーケティング3.0: 価値主導のマーケティング。世界をよりよい場所にすることを目的とする。

・マーケティングを3.0に向かわせたのは、テクノロジーとグローバル化、創造的社会の登場

・テクノロジーの進歩により、SNSなどを使いユーザ自身が情報を発信することが可能となった(SNSの例)
 ー口コミが力を持つ。
 ー表現型ソーシャル・メディア(ブログやTwitter)と恊働型ソーシャル・メディアがある(オープンソースWikipedia)

グローバル化
 ーグローバルなバリューチェーンによりモノの交換が容易になった。
 ーただ、テクノロジーとは異なり、グローバル化はそれに対抗する力を誘発する(すべての国に平等な土俵を容易するが、同時に脅威になるため)

・創造的社会の登場
 ー科学、芸術、専門サービスで働く社会は、社会発展の最も進んだ姿。
 ーマズローのピラミッドを登っているので、人間の最も重要な欲求が生存欲求から精神的欲求に変わりつつある。なので、”価値(=自分たちの精神を感動させる経験やビジネスモデル)”が需要。
 ーこの価値をビジネスモデルに組み込むには、精神性の階段を登って行けること、そして精神的欲求を企業のミッションやビジョンや価値に組み込めること。

第2章: マーケティング3.0の将来モデル

・この章のまとめ
 ーマーケティングの最終形態では、アイデンティティ、インテグリティ、イメージの3つがうまくバランスのとれたものになる。
 ーマーケティング3.0は、企業のミッションやビジョン、価値に組み込まれた意味をマーケティングすることでもある。こう定義することで、マーケティングの地位をさらに高め、企業の戦略的未来像を描く際のじゅうようなプレーヤーになる。なので、マーケティングは単なる販売やツールを使った需要の送出ではない。

・ニール・ボーデンが1950年代にマーケティング・ミックスという言葉を生み出した
・ジェロームマッカーシーが1960年代に4Pという枠組みを打ち出した。
・ただ、この時期は、マーケティングの最も重要な目的は、製品に対する需要を生み出すこと。4Pは当時の製品管理の製品の開発、価格の決定、プロモーション、流通先のみを言い表したもの。
・ただ、近年では経済成長により4Pだけでは厳しくなってきている。
・マーケティングが、より顧客に注目したものに変わるにつれ、戦術的なものから戦略的なものへ変化した。
・マーケティング1.0、2.0も引き続き意味を持つが、景気後退、ソーシャルメディアの登場、消費者のエンパワーメント、技術革新、グローバル化により、マーケティングの概念に巨大な変化をもたらす。
・未来のマーケティング活動の基盤になる3つの事柄
 ー共創: C・K・プラハラードが作り出した言葉。イノベーションに対するあたらし取り組み方を表すもの。製品にとって最大の価値を生み出すのは、個々の消費者の経験の集積である、という考え方。個々の消費者は、製品を経験するときその経験を自分独自のニーズや欲求にしたがって カスタム化する。
 ー3つのプロセスから成る。プラットフォームとなるカスタム化できる製品を世の中にだすこと、各自のニーズに合うように、製品をカスタマイズしてもらう、そして消費者からフィードバックをもらい、消費者のネットワークが行ったカスタム化を取り込むことによって、プラットフォームをより価値の高いものにする。
 ーコミュニティ化: 消費者同士を結びつける役割。プール型とウェブ型とハブ型がある。
 ーキャラクターの構築: ブランドが人間とつながるには、真の差別化の核をなす本物のDNAを築く必要がある。消費者に本物と認めてもらえるように、自分の主張に背かない経験価値を提供することを一環する必要がある。
・人間の基本的な構成要素は、肉体、独自の志向や分析を行えるマインド、感情を感じることができるハート、そして製品(魂などの源、すなわちその人がその人であることの核)の4つ。マーケターは消費者のハートに訴えなければならない(スターバックスの例)
・マーケティング3.0は、ブランドとポジショニングと差別化のバランスのとれた三角形として定義される必要がある。
 ーこれを完全なものにするのが「3i」コンセプト。Brand identity, Brand integrity, Brand imageの3つ。
 ーソーシャルメディアでは、ブランドはコミュニティの一員のようなもの。
・ミッション、ビジョン、価値
 ーミッションは事業内容と言われることもあるが、ダイナミックなビジネス環境では事業の定義は変わるので、「その企業の存在理由」と定義する。ドラッガーも出発するのがよいかもしれない、と述べた。
 ービジョンは企業の望ましい未来像を書き出したものと定義することができる。どのような企業になり、何を達成したいか?を述べたもの。
 ー価値は、「企業としての行動規範」。価値は企業の車輪と言える。
 ーこのミッション、ビジョン、価値と価値を基準にしたマトリクスを「価値ベースのマトリクス(VBMモデル)」という。

第3章: 消費者に対するミッションのマーケティング

コカ・コーラやイケアなどはアメリカの人々に愛されるブランドだった。なので、その期待を裏切る製品や行動(二ユーコークの販売、イケアの公式フォントをデザイン性の高いものから機能的なものへ変更)をすると、消費者の反発をかう。
・優れたミッションの3つの特性
 ー想像: 普通できないビジネス
 ー普及: 人々を感動させるストーリー。Appleの1884年のCM。
 ー実現: 消費者エンパワーメント。そのミッションは消費者のものであり、その実現は消費者の肩にかかっていることを伝えるため。

第4章: 社員に対する価値のマーケティング

・自社の価値に背いた企業は、消費者からも社員からも叩かれる。
・社員の中に自社の価値を知らないものがいたり、PRのためだけと思っているものがいるのであれば、企業がマーケティング3.0を実現しているとはいえない。社員にも真摯に受け止めさせる必要がある(ただし、社員は消費者に対してよりも、さらに難しい)
・企業の価値
 ー参加承認欲求: 社員が身につけているべき基本的な行動規範。プロ意識や誠実さ。
 ー願望的欲求: 経営陣が根付かせたいと思っているもの。社員がまだ持っていないので、基本的な企業文化を形成することはできない
 ー偶発的欲求: 社員の共通のパーソナリティ特性の結果、得られるもの。異なるパーソナリティを持つ社員を排除することができるので、コアバリューにならない。
 ー中核的欲求: コアバリュー。
・企業文化を築くとは、共通価値と共通の行動を一致させるということ。つまり、組織内での日常の行動を通じて価値を示すということ。社員の価値と行動は、その会社のブランド・ミッションを反映していなければならない。
・恊働的価値を持つ企業では、社員が変化を起こすために他の社員や社外のネットワークと恊働することを奨励する(シスコ・システムズでは意思決定の権限は世界中の500人の幹部に分散されている)
・文化的価値を持つ企業では、社員が人々の生活に文化的な変化を起こそうという気持ちを抱かせる(食品を味わう、家族観を変える)
・創造的価値を持つ企業では、社員に自分の革新的なアイデアを育てて、それを他の人と共有するチャンスを与えるということ(3MやIDEOではイノベーションを重視している。勤務時間に自分のプロジェクトのために時間を使うことができ、会社に出資を求めることができる)

・優れたコアバリューを持つと、人材獲得競争で優位に立つことができる。優秀な人材を引き寄せる。

・社員は下記6つのセグメントに分類することができ、自社に合う人/合わない人を見極めることができる。また、この分類はマッキンゼーが生み出した社員セグメント化の枠組みと似ている。
 ー楽をして稼ぎたがるセグメント(手軽な成功を求める)
 ー柔軟な脇役のセグメント(仕事を優先事項とはみなしていないため、流れに身を任せる)
 ーリスクと報酬を求めるセグメント(仕事を挑戦の機会とみなし、自らを奮い立たせる)
 ー個人の専門技能を生かしてチームとして成功したいと考えるセグメント(チームワークとコラボレーションを与えてくれる仕事を求める)
 ー確実な前進を目指すセグメント(前途有望なキャリアパスを求める)
 ー目に見える足跡を残したがるセグメント(会社に永続的な影響を与える機会を求める)

第5章: チャネル・パートナーに対する価値のマーケティング

・マーケティング3.0では、チャネル・パートナーを複雑な経済主体とみなしている。企業と消費者と従業員が混じり合っているような存在。
・チャネル・パートナーには、自社と全く同じ目的・アイデンティティ・価値を持つパートナーを選ぶ必要がある。
・企業とチャネル・パートナーの協力関係に公平さという価値が存在する場合は、チャネル構造全体で価格の安定を調整するのが容易になり、したがってチャネル全体の経済性を高めることができる。
・自社が消費者に対して関わりを持っていない場合は、チャネル・パートナーに、消費者とのインターフェースになってもらう。その際、チャネル・パートナーを通じてストーリーを広める。この場合、チャネル・パートナーはメーカーより重要な存在として認知される。
・創造的なチャネル・パートナーシップには4つの発展段階がある。
 ー第一段階: 販売活動のすべてを直販部隊や一つのチャネルに頼っているとき。
 ー第二段階: 第一段階から成長して、企業が売り上げや製品の入手しやすさを高めるために販売地域を拡大しようとすると、この段階になる。この段階では、製品やセグメントや地域によって業者やチャネルを使い分けることはしない。その結果、流通業者同士や他のチャネルとの間での販売活動のコンフリクトが起きる。
 ー第三段階: 第二段階のコンフリクトの問題を考慮して、自社の市場を地域、消費者セグメント、もしくは製品セグメントにより分割した段階。企業はコンフリクトを避けるために流通業者やダイレクト・チャネルの活動に明確な境界とルールを設ける。
 ー第四段階: 企業が使う様々なチャネル間で分業が行われる。この結果、一つのセグメント市場や地域市場にタイプの異なる複数のチャネルが共存することができ、それぞれが恊働する。企業がさまざまなチャネルに仕事を分担させる「統合型マルチチャネル」の段階。


6章から10章は後半として下記に記事にまとめました!mame0112.hatenablog.com