「『つまりこういうことだ!』ブランドの授業」まとめ
ここしばらく、ビジネス系のインプットを続けています。
今回読んだのは、「つまりこういうことだ!」ブランドの授業、という本。これも5年くらい本棚で眠っていたのをひっぱり出してきました。何故この本を買ったのか、全く覚えておらず・・・。
ブランドとは何か?を体系的に勉強したい初学者にはいいかも、な本です。本の後半になるにつれ、少しずつ深い話になるのかな・・・と思いきや、意外と本の始めのあたりのペースで最後まで流れてしまいます。ということで、本の後半、ブランドとは何かを知るためにあまり必要ではなさそうな部分は多少は省略しています。
ブランドとは何かを勉強したことがあったり、マーケティングなどをやっていた人にとってはもしかすると、当たり前の話なのかもしれません。
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ブランドとは何か?
・ブランドとは旗のこと
ー何をやっているか、あるいは何がやりたいのか、自分が世の中に問うものの宣言
ートレードマークはブランドを構成する1つの要素。
・ブランドは約束である
ーいつも同じ売りが保証されていること。一貫性がある、毎度おなじみのxxx。
ーブランドは人からの評価で成り立っている
・ブランドは人のこころの中に生まれる
ーブランドを構成する要素が統合されてできるイメージ
ーなので、旗をたてることはブランドづくりの第一ステップ。
ーブランドの構成要素一つひとつが統合されてはじめて、ブランドになるためのメッセージを発信する。
ブランドを構成する要素
・下記5がある
ーブランド・ゾーン
ーイメーコ
ーネーミング
ー価格
ーパッケージ
・目に見える要素が顧客と接触し、接触印象(インプレッション)の積み重ねによってブランドが創られて行く
・ブランドゾーン
ー商品はその商品のしてくれること、すなわち「機能」とプラスの「付加価値」の部分の2つの属性から成り立っている
ーそれぞれを機能ゾーン、ブランドゾーンと呼ぶ(ことにする)
ー雨が降ったときに濡れない(傘の機能ゾーン)
ーデザインがしゃれている(傘のブランドゾーン)
・ブランドゾーンを設計する
ー商品設計のためには「この商品で世の中に提案したい価値」をしっかり決める必要がある
ー100円ショップの場合は、機能ゾーンを満たすことが必要かつ十分条件で、ブランドゾーンはわずか。
ー高級ブランドの場合は、機能ゾーンとブランドゾーンがほぼ同等の大きさで設計されている(=機能ゾーンはブランドゾーンと同等か、少し大きいくらいでないといけない)
ブランドづくり(1) / 「価値」を創る
・ブランド作りのステップ
ーステップ1: 価値を創る
ーステップ2: とんがらせる
ーステップ3: とんがりを魅せる
・価値とは?
ー「自分はこの商売で何を世の中に訴えたいか」という「思い」をメッセージにして伝わるようにした「中身」のこと
・「親しいイメージを創る」ことが大事
ー親しみがある、安心できる、いつ行っても間違いがない、人にオススメができる
・サービスは「ブランドゾーン」によって選ばれる
・ブランドがどのようなイメージを持っているかで、見込み客が手にとってくれるかどうかが決まる。
ー例: 銘柄指定ではなく、「缶コーヒーを買おう」とだけ思ってコンビニにいく。
ーテレビ、コマーシャル、電車の広告といった宣伝広告の他、商品パッケージがイメージ作りに役立つ
・価値ととんがりの違い
ー価値の中にとんがりがある(価値がとんがりを包含している)。
ー価値は、One of them.とんがりは、Only one
ブランド作り(2) / とんがらせる
・とんがらせるとは、それぞれのカテゴリーにある「xxxであればyyyであるべき」を打ち破ること。
ー「氷結」は、それまで焼酎がメインだったチューハイを、果汁をメインにした + パッケージもこれまでにないダイヤカット缶にして主張した。
・また、別の言い方であれば「絞り込む」「フォーカスする」ということ。つまり、ターゲットをしぼり、それ以外は捨てる。その分野でのダントツを追求する。
・ブランドの一番の役割は、心に刺さること
・とんがらせるときには顧客の意見をきく必要はない。返って来るのは、印象批評にすぎない。逆にいうと、それだけマイナスの批評があるということは可能性があるということ。
・提案するのは、時代の半歩先くらい。一歩先だと「早すぎる」ものとなってしまう。
・とんがらせるときにステレオタイプはNG。価値観が多様化している。
・優先順位の第一にくるのは、常に「絞り込む」「研ぎすます」の2つ。
・ネーミングの極意
ーずばり価値を言い得ていること
ー耳に心地よく響くこと
ー記憶に残っていつまでも心に刺さっていること
・ネーミングセンスを磨くには映画や文学などが参考になる。
・プライシングは、「宣伝する」、「責任を持つ」、「自分が納得する」の3段階で考える。
ブランド作り(3) / とんがりを魅せる1 - 価格
・プライシングの三段階
ーステップ1: 宣言する。価格はブランドが自分のとんがりを世界に向けてする宣言。
ーステップ2: 責任を持つ。価格以上の価値を提供する。責任がある。
ーステップ3: 自分が納得する。自分の宣言と責任の間のバランスに納得できるかどうか。
・顧客は提供される価値に対して、「お金」、「時間」、「応援表としてのひいきの気持ち」を対価として払っている。
・そもそも価格とは、顧客との「思いのすりあわせ」
ー上記の3ステップであれば「1, 価格を理解する(1000円なんだ)、2, 責任を負って頑張っているな、3, 価格に見合った、もしくは価格以上の価値だ」
・値引きは、上記3つのうちどれかが納得できないものとなった場合に行われる。顧客との思いのすりあわせができていれば値引く必要はない。
ーまた、こうなってしまった場合、値引き以外にもとんがり型を変えたり、魅せ方を変えたりすることで価格に見合うものを提供する手段もある。
・ブランド戦略では、顧客に訴求すべきなのは「価格の安さ」ではなく、「ストーリー」や「哲学」
・「一番の安さ」を売りにするのは、「とんがったブランドを魅せる」という目的には役立たない。
ープライシングは世界への宣言なので、「市場で一番安い」ということは、「市場で一番価値が低い」という宣言に他ならない。
・顧客は価値を目に見えるわかりやすい判断指標で測る。すなわち、「安い価格は安い価値」となる。
・高級ブランドは高くなければ意味がない。
ー高いから人は買う。人はブランドを自分に投影する。
ブランド作り(3) / とんがりを魅せる1 - パッケージ
・ブランドにおけるパッケージとは一言でいうと、「ブランドの魅せ方の全体」のこと。
・音楽がただ単に音を推すだけだと音楽にならないのと同じように、顧客はネーミング、価格、ロゴ、バイライン、タグラインなどを統合した全体で認識する。
ー高級レストランの例。
・オフィスの場所も、「場所の持つイメージ」が大事。
・商品デザインもパッケージの重要な要素の1つ。
・ロゴはブランド立ち上げと同時に創るべき
・バイラインとタグライン
ー倍ラインは自分が何者かの自己紹介、タグラインは何ができるかの役割紹介
ーバイライン: そのブランドが何をやっているのか、何をやりたいのかを顧客に分かってもらう役目
ータグライン: ブランドが約束する価値を要約して説明するもの。サントリーの南アルプス天然水であれば「山の神様がくれた水、サントリー天然水」
ブランド作り(3) / とんがりを魅せる1 - 広告
・広告の極意は、絞り込んで、旗を魅せること。
ー絞り込むとは、「メッセージを絞り込む」、「ターゲットを絞り込む」、「媒体を絞る」の3つ。
・広告の最大の目的は、「ブランド資産を増やすこと」
ーブランド資産とは、「ブランドへの愛」や「親しみ」、「いい感じ」といった感情に根ざすもの
・とにかくシンプルに。
・チラシはブランドの姿勢を決めてから
ーブランドの姿勢とは、「顧客がブランドを見上げるか」、「ブランドが顧客を見上げるか」のどちらか。
・媒体選択は慎重に行う。
ー媒体はブランドの服であり、人間と同じくTPOに会わせて考えて行く姿勢が重要。
営業なくしてブランドなし
・営業は売るだけではなく、ブランドづくりにとっても非常に重要。
ーブランドにとっての営業の役割は、「売り込み」ではなく、「価値伝達」。
・ブランドの価値は営業の人間力で決まる
・ブランドと市場とをつなぐ窓としてフィードバックする
スローなブランドを創ろう
・「ほんもの」のこと。
ーブランドに、「愛と哲学」があるかどうかが重要。
・「顧客への愛」とは、「顧客を読む」こと。
ー商品をただ提供するだけでなく、顧客のこころをしっかり観察して、読み取ったフィードバックとしての商品を開発すること。
ー顧客をただ盲目的に愛するのではなく、あくまでもブランドとの関わりの中で価値を軸として考える。自社のブランドが何の価値によって顧客から愛されているかを観察し、現代版にアップデートしていく。
・美学とは、「誇り」や「こだわり」のこと。
ーこれだけは譲れない、という点。ブランドの旗や約束がくっきり明確であるほど、美学がある。
ー美学は、「これはやる」「これはやらない」というものさしになる。
ーブランドの隅々まで美学が一本通ってなければならない。
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以上、「『つまりこういうことだ!』ブランドの授業」のまとめでした!