まめージェント

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「イノベーションへの解 利益ある成長に向けて」まとめ(中)

前回の「イノベーションへの解 利益ある成長に向けて」まとめの続き。mame0112.hatenablog.com


今回は、5章から7章をまとめてあります。
※だんだんと章ごとの分量が増えてきて、内容も複雑になってきた。。。

第五章: 事業範囲を適切に定める

・何を内部調達し、何を業者や提携相手から調達するかの決定は、新成長事業を大きく左右する。この決定を導くために用いられるのが、コア・コンピタンス(中核的な能力)の区分。
 ーただ、コアコンピタンスに結びつく業務は社内に残し、それ以外は外部に委託すべき、という考え方。
 ーだが、このコンピタンスは過去の事実をベースにしているので、全く謝った方向に導かれることもある。
 ー5章と6章では、いかに適切に決定するか?を議論する。

・中核業務かそうでないかの分類は、「片付けるべき用事」をベースにした考え方から始まる
 ーただし、これは「製品が十分でない」状況と「十文以上に良い」ときの2つのパターンで異なる。つまり、「製品が十分でない」状況だと統合が、十文以上に良い状況では外部委託、つまり専門化や特化が有利。

・相互依存型アーキテクチャバリューチェーンの中で、相互に依存関係のあるインタフェース)=最適化された独自アーキテクチャ
 ー組織はどちらか一方の構成要素を開発するためには、同じ組織の中で同時に両秘奥の構成要素を開発しなければならない。

・モジュール方式のイターフェース=予測不能な相互依存関係が存在しないので、誰あが部品やサブシステムを作るかは問題ではあい。離れた場所で作業する独立的な作業グループであっても、開発が可能。
 ー柔軟性を最適化するが、厳しい規格が必要なため、エンジニアの設計の自由度をあまり与えない。

・「十分でない」世界には、相互依存アーキテクチャ
 ー企業は出来る限り優れた製品を作ることで競争しなければならないので、独自使用の相互依存アーキテクチャを基に性能を最適化する企業に、大きな競争優位がある。
 ーこの企業は、統合が他企業でなければならない。それは、システムすべての構成要素をコントロールする必要があるため。
 ー未熟な新技術が持続力向上のために使われることが多い。新規参入企業がブレークスルー技術の商品化に成功することがほとんどないのは、新しい技術が既存の技術利用体系と互換性を持たないため。

・上記のような変化が新興すると、顧客が求めるよりもよい性能になる。これをオーバーシューティングという。
 ー顧客は改良製品を喜んで受け入れるものの、それを手に入れるために割増価格を支払うことはない。
 ーこの状態だと、顧客が割増価格を払う対象が変わる。顧客が割増価格を支払うのは、「要求通りのものを、必要なときに、なるだけ手軽に手に入れる」こと。
 ーつまり、カスタマイゼーション、速度、利便性に関するイノベーションに喜んで割増価格を払うようになる(=競争の基盤が変わる)
 ーこうなると、独自アーキテクチャからモジュール型アーキテクチャに進化する。
 ーモジュール型アーキテクチャは個々のサブシステムの性能を高めるために全体を設計し直す必要がないので、新製品を早く市場に出すことができる。
 ーこの変化は、産業構造にも大きな影響を及ぼす。全体を作るのではなく、モジュールの外部委託が可能となり、一種類の構成要素を供給することで利益を得ることができる。

・ただ、顧客のニーズも変化するため、一度モジュール型になっても新しいニーズが発生することにより、再度再統合が発生する(=より効率よく顧客の求める品質の製品を提供できる)こともある(マイクロソフトのOfficeの例)

・性能が十分でないときの戦略
 ーモジュール型製品の価値を構成する1つのサプライヤーとして新成長事業を立ち上げる考え方は魅力的(費用がそれほどかからず、得意な分野にフォーカスできるため)
 ーただ、機能性と信頼性が不十分な状況では、しばしば失敗に終わる(モジュール化は、破壊の初期段階では技術上または競争上可能でないことが多い)
 ーこのやり方で成功するには、本当のモジュール式の中で競争しているか確認する必要がある。それは、下記の3つが満たされ地得る必要がある。

・3つの条件
 ー1: 指定可能性。供給業者と顧客の両者が、「何を指定すべきか」、つまり構成要素のどの属性が製品システムの動作にとって重要で、どれがそうでないかを識別できなければならない
 ー2: 検証可能性。こうした指定が満たされたかどうかを検証するために、これらの属性を評価できなければならない
 ー3: 予測可能性顧客と供給業者のインタフェースをまたがって、十分に理解されていない、または予測不能な相互依存関係があってはならない。

第六章: コモディティ化をいかにして回避するか

コモディティ化を回避する方法はある。
 ーコモディティ化バリューチェーンのどこかで作用しているときは、必ず脱コモディティ化という補完的なプロセスがバリューチェーンの別の場所で作用している。
 ーコモディティ化が差別化を阻むことで企業の収益力を破壊するのに対して、脱コモディティ化は潜在的に莫大な富を創出し獲得するチャンスを生み出す。
 ーこれは、差別化能力がバリューチェーンのなかを絶えず異動することを意味する。性能が「十分でない」地点に位置を定める企業が、利益を手にする。

コモディティ化と脱コモディティ化のプロセス
 ー収益性の高い差別化された独自製品をコモディティに変えてしまうのが、5章で説明したオーバーシューティングとモジュール化のプロセス。
 ー破壊グラフの左端の領域で最も成功する企業は、統合型企業。理由は2つ
  ー1: 製品の相互依存型の独自アーキテクチャにより、差別化が容易
  ー2: 相互依存型のアーキテクチャを持つ製品の設計と製造では、元来変動費に対する固定費の割合が高く、大きなスケールメリットが働く。これが大規模な統合企業にコスト優位性を与える一方、新規参入企業にとっては乗り越えがたい参入障壁となる。
 ーただ、この状態は、「十分でない」状況あってのこそなので、状況が変化すれば(収益性の高い支配的企業が主流顧客の利用能力を追い抜いてしまえば)形成は変わる(顧客は十分にいいと思う製品にさらに高い価格は払わない)
 ーそしてモジュール方式が支配的となり、コモディティ化が始まる。

コモディティ化のプロセスは、下記の6ステップに分かれて起きる 
 ー1: 新しい市場が生まれると、ある企業が十分ではないが顧客のニーズに近い独自製品を開発する。企業は独自アーキテクチャを通じて製品を生み出すため、魅力的な利益を得る
 ー2: 企業は競争相手より優位に立とうとするうちに、やがて市場の定位置の顧客が利用できる機能性と信頼性を追い抜いてしまう
 ー3: その結果、この階層の競争基盤の変化が促される
 ー4: モジュール型アーキテクチャへの進化が促される
 ー5: 産業の非統合化が進む
 ー6: 製品の性能やコスト面で競合企業との差別化を図ることがきわめて困難になる。誰もが同じ部品を入手でき、同じ基準に基づいてそれを組み立てるから。この状況は機能面でのオーバーシューティングが怒る市場の底辺から始まり、容赦なく上方にうつっていく。

・破壊とコモディティ化の現象を結びつけるのは、オーバーシューティング(=十分以上にいい状況)
 ーどの企業もコモディティ化のプロセスから逃れることはできない
 ーただ、そのすぐそばに繁栄の機会がある。将来の魅力ある利益は、バリューチェーンの別の場所、つまり別の段階や階層で生み出されることが多い。これは、コモディティ化のプロセスが脱コモディティ化という補完的なプロセスを引き起こすため。
 ーこれは、バリューチェーンの中の、従来魅力のなかった場所に起こる。

・脱コモディティ化は、モジュール型破壊者が性能を決定する構成部品とサブシステムの性能の向上を求める結果起こる、補完的プロセスである。
 ー具体的には下記のステップで起こる
 ー1: モジュール型製品の組み立て業者が魅力ある利益を得続けるためには、コストの高い独自開発製品の供給業者を市場階層から駆逐した後、出来る限り上位市場に移行して、再びコスト企業と対決する必要がある。
 ー2: 彼らがどれだけ早く上位市場へ異動できるかを決定するメカニズムが、性能決定サブシステム(上記参照)そのため、これらの構成要素は「十分でない」状態になり、破壊グラフの左側にはじき飛ばされる
 ー3: サブシステムの供給業者は、同業者感の競争によって、ますます相互依存的で独自仕様の設計を開発することを余儀なくされる。それは、自分たちのサブシステムを利用した方が、最終消費製品の性能を高めることができるため
 ー4: これらのサブシステムの大手供給企業は、差別化された独自製品を魅力ある利益率で販売できるようになる
 ー5: その結果、脱コモディティ化が起こる。

コア・コンピタンスROA(資産収益率)最大化のデス・スパイラル
 ーコモディティ化の餌食となる企業は、すぐ下の階層のサブシステムまたは隣接するプロセスで、コモディティ化と同時に起こる。
 ーコア・コンピタンスは、多くの経営者が用いる用法においては、危険なまでに後ろ向きな概念である(=コア・コンピタンスでない業務をすべて外部に委託することを繰り返すことで、結果その企業が中抜きになり、破滅を招く)
 ー競争力は、単に得意だと自負する業務を行うことではなく、むしろ顧客が高く評価する業務をお粉うことから生まれる。

コモディティ化とブランド力
 ーブランドに最も価値があるのは、価値連鎖の「まだ十分でない」段階。顧客が製品の性能に不安を持っているとき、周到につくられたブランドがあれば、得体の知れないメーカーの製品を購入する不安を軽減して、顧客が必要とするものに近いイメージを与えることができる。
 ー同じように、複数の業者が供給する同じ等級の製品が、どれも十分以上であることが明らかな場合は、ブランドがプレミアム価格をつける能力が失われる傾向にある。
 ー製品が「十分でない」ときは、製品自体にブランド力があるが、「十分以上」である場合は、その中身にブランドがつく
  ー昔は衣料品の製品自体にブランド力があったが(例えばリーバイス)、労働力の安い国々の衣料品メーカーでも確かな品質の製品を作ることができるようになると、「十分でない」対象が製品の品質から購入の容易さ/手軽さといったチャネルへ異動した(H&Mなど)この状態で、顧客は誰が製品自体を作っているかを気にしない。

第七章: 破壊的成長能力を持つ組織とは

イノベーションの失敗は、技術的欠陥があることや、市場に適応性がなかったこと「以外」に、事業を構築する責任を、その任務を遂行する能力を持つていないことにもよる。
 ー持続的イノベーションでは役立つスキルが、破壊的成長のためには失敗に導くこともある。

・能力とは下記3つに分解できる。
 ー資源
 ープロセス
 ー価値基準

・資源
 ー3つの要素のうち、最も重要な要素。
 ー人材、設備、技術、製品設計、ブランド、情報、資金、供給業者、顧客との関係などが含まれる
 ー新成長事業の構築で最もつまづく原因となるのは、マネージャーの選択
 ーこれは、企業が「正しい資質(ライトスタッフ)」の発想に基づいてマネージャーを選ぶと過ちが起こるから。
 ーこれには、「コミュニケーション能力が高い」「結果重視」「人を扱う能力に炊けている」など。
 ーただ、新成長事業の立ち上げにはこれらの能力ではない、別の能力が必要とされる。
  ー社内の候補者は、これまでの業務効率や品質の改善する方法は湿地得るが、新規事業に関してはしらない
  ー社外の起業家は、動きの速い新組織の構築については知っているが、安定した効率優先の業務環境の中で、資源獲得のために争ったり不適切なプロセスに抵抗したことはない

・新成長事業のための「プロセス」
 ープロセスは相互作用や連携、意思伝達、意思決定などのパターンのこと。
 ー特定の業務に取り組むために定められたり、自然に生まれたりする。
 ーそれ故、それ以外の業務に適用しようとすると効率が悪くなってしまうことが多い。
 ーマネージャは主流事業を効率よく運営するために設計されたプロセスを使うことが多い。それは、中核事業の調子がいときにそれを変えることができないため。
 ー検討すべきプロセスは、物流や開発、製造や顧客サービスなどの分かりやすい部分ではなく、投資判断を支える、側面的援助プロセスや背景プロセスであることが多い。
  ーどのように市場調査を行うか、その分析結果をどのように財務予測に反映させるか、計画や予算をどのように取り決めるか、など。

・新成長事業のための「価値基準」
 ー従業員が仕事の優先順位を決定する際に用いる判断基準のこと。
 ー企業が大規模で複雑になればなるほど、企業の戦略的方向やビジネスモデルと整合のとれた優先順位の決定を自発的にできるように、社員内で共有する必要があるもの
 ー資源とプロセスが、組織にとって「何ができるか」を定義する成功因子であることに対して、価値基準は「制約」を示す
  ー大企業では求められる売り上げの額も高いため、市場規模の小さい事業には興味を示さない、つまり、規模が巨大であることは、新成長事業を生み出す上で無能力の要因となる。

・能力の移動
 ー組織の能力は、設立間もないときはその資源、特に人材に負うところが大きい。
 ー規模がおおきくなってくると、組織の能力はプロセスや価値基準へと移動する。
 ー組織のメンバーが仕事のやり方や意思決定の基準を、意識的に判断してではなく当たり前のこととして受け入れるようになると、プロセスや価値基準が企業文化を形成する。
 ー文化に埋め込まれると、変革がとてつもなく困難になる。

・破壊的な新事業に適した組織
 ー実績のある企業では、持続的技術でも破壊的技術でも成功できるだけの資源(エンジニア、金、技術)を持っているが、プロセスや価値基準が、リーダーを無能力にしてしまう
 ー一方、規模の小さい破壊的企業では、小さな市場を受け入れる価値基準があり、販売単位あたりの利益が小さくても対応できるコスト構造を持っている。また、市場調査や資源配分プロセスがそれほど形式ばっていなくても、直感的にことを進められる。

・新成長事業立ち上げの際のフレームワーク
 ー様々な軸により、4つのパターンがある
 ーA: 経営者が画期的ではあるが持続的な技術進歩に直面している状態。この技術進歩は組織の勝ち基準と適合するが、これまでと違ったタイプの問題を解決するために、集団や個人が新しい方法で相互作用や連携を行う必要がある。また、重量級のプロジェクトチームが必要となる。
 ーB: プロジェクトが会社の価値基準だけでなくプロセスにも適合している状態。既存組織同士が機能的境界を超えて連携することで、新事業を構築することができる
 ーC: 組織の既存のプロセスにも価値基準にも適合しない、破壊的な技術変化。この状態では、自立的な組織の設立が必要。
 ーD: 主流部門と同等の製品やサービスを、間接費がはるかに低いビジネスモデルを通じて販売するプロジェクトを示す。このような新事業は、主流組織の物流管理プロセスを活用できるが、予算管理、経営、損益の責任は分離する必要がある。

・新しい価値基準を作る 
 ー企業が新しい優先順位の判断基準、つまりあたらし勝ち基準を生み出せる唯一の方法は、新しいコスト構造をもった新しい事業部門を設立すること。
 ー組織は、既存のコスト構造と比較してより高い利益率を約束するイノベーションしか優先できなくなるため、自らを破壊することができない。

・資源、プロセス、価値基準を買収する
 ー経営者は能力を社内で開発するより買収した方が競争上、経済的に意義があると考えるが、成果はまちまち。
 ー被買収企業の成功を導いた本当の要因がプロセスや価値基準にあるのであれば、買収側の企業はこの会社を新しい親会社に統合してはならない。
 ー買収の主な根拠が企業の資源にあるのであれば、親会社への統合は意味がある。

まとめ(下)で、7章から10章は下記リンクです!
「イノベーションへの解 利益ある成長に向けて」まとめ(下) - まめージェント